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派遣の「職場見学」前にやるべきこと

派遣社員として仕事を始めるためには、「職場見学」をクリアしなければなりません。「職場見学」とは面接の代わりのようなものですが、「面接」をすることによってスタッフを選別することは法律で禁止されているために「職場見学」というまわりくどい表現をしています。

 

労働者派遣法では、派遣先の「派遣労働者を特定することを目的とする行為」が禁止されています。言い換えると、労働者を選考するために事前に派遣スタッフと会うことが禁止されています。でも、どういう人が来るのかわからないのは派遣先企業にとってリスクが大きすぎるので、どのスタッフに来てもらうかを特定しないという建前で、「職場見学」や「事前打合せ」に来てもらうわけです。

本来、スタッフが自ら事業所を見学して勤めてもよいかどうかを判断するために事業所を訪問することを「職場見学」といいますが、実際には派遣先企業がスタッフを判断するために活用されているのが実状であり、結果的に「面接」の側面をもっていることから、スタッフは「職場見学」の前にある程度準備をして、面接されるのだという意識で臨む必要あります。

 

職場見学に行くときにスタッフが備えておくべきポイント、敵を知り、自分を知り、敵を倒す方法をおさえておきましょう。

 

【ポイント1】企業理念

まずは企業分析から始めます。分析といってもおおげさなことではなく、ホームページをざっと見て、企業の要点だけおさえておきます。ここでは旭化成株式会社を例に、企業分析のやり方をご紹介します。まずは旭化成株式会社のホームページを開きます。

どの会社のホームページにも「企業理念」とか「経営理念」といった情報が掲載されています。旭化成では、企業情報>グループ理念にあります。これを、自分なりに理解しておきます。

 

グループ理念
私たち旭化成グループは、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。
→不変的に人々の生活に貢献すること、グローバルであること、なんだろうな。
グループビジョン
「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供していきます。

→生活と環境に関するビジネスを展開するなかで、新しいことをやっていきたいんだな。
グループバリュー
「誠実」「挑戦」「創造」

→こういうマインドをもった人を雇いたいはずだな。与えられた業務に果敢に挑戦し、新しい価値を創造していきたいです、なんて言ったら喜ばれるかもしれない。
グループスローガン
私たちは、“昨日まで世界になかったものを”創造し続けます。

→創造という言葉を何度もアピールしている。新規性が大事なんだな。

【ポイント2】代表者とその言葉

企業の代表者がどんな人物か、そしてその人が何を考えているのかを理解しておくことは重要です。その考え方が組織や、組織に属する人たちに浸透していくからです。旭化成では、企業情報>役員紹介にかかれています。

 

社長は「小堀 秀毅」氏。1978年4月に旭化成入社以来、旭化成関連企業である旭化成マイクロシステム、旭化成エレクトロニクスにて、マーケティング畑を歩んできたようだというのはわかります。執行役員が30人くらいいるので、多すぎですね。意思決定が遅くなる、組織の高齢化で革新性が失われる、人件費負担の増大、といった問題がありそうです。

 

「小堀 秀毅」で検索すれば、記事の1つや2つは出てくるはずなので、それも一応チェックしておきます。

 

 

【ポイント3】事業内容

その会社が何のビジネスをやっているのかすらわかっていないようでは、業務など任せられるわけがありません。自分の中で腑に落ちて、ある程度説明できるまで頭に叩き込んでおく必要があります。

会社のホームページも一応見ておきますが、ウィキペディアや四季報で調べたほうが手っ取り早く把握できる場合もあります。旭化成の場合、やっていることが多岐にわたり事業を一言で説明できないので、四季報で確認してみます。

 

作成日:2016年12月16日
3407 旭化成 あさひかせい [ 化学 ]
【URL】http://www.asahi-kasei.co.jp/
【決算】3月
【設立】1931.5
【上場】1949.5
【特色】1922年創業の総合化学企業。ケミカルや繊維、住宅、電子部品、医薬・医療機器など事業多彩
【連結事業】ケミカル・繊維43(8)、住宅・建材33(11)、エレクトロニクス9(4)、ヘルスケア15(13)、他1(2)【海外】35 <16・3>
【反 落】収益柱の住宅は受注残多い。ケミカルや繊維も数量好調。だが円高逆風。米国ポリポアのれん償却重い。退職給付費増。営業益反落。特損減、株売却益。18年3月期は住宅堅調、高機能材料増販で向上。
【高機能樹脂】事業拡大のターゲットは自動車部材用途。取引乏しい欧州自動車メーカー開拓に注力。杭問題の横浜マンション建て替え費用の負担は来期以降に確定。
【業種】 化学 時価総額順位 3/164社
【仕入先】―
【販売先】―
【比較会社】4005 住友化学,4063 信越化学,4183 三井化学
【本社】101-8101東京都千代田区神田神保町1-105神保町三井ビルディング TEL03-3296-3000
【グループ工場】延岡,水島,川崎,富士,守山,大仁,他
【従業員】<16.9>連33,723名 単7,401名(43.5歳)[年]921万円
【証券】[上]東京[幹]野村,大和,みずほ,日興[名]三井住友信[監]PwCあらた
【銀行】三井住友,みずほ,三菱U,農中
【連結】旭化成ホームズ,旭化成ファーマ
【四半期進捗率】3期平均49.3% 今期48.8%(-0.5%)

やはりよくわからない・・主力事業は「ケミカル(化学)」ということで、そこだけでもしっかり押さえておきましょう。自動車部材用の高機能樹脂、消費財としてはケミカル技術とエレクトロニクス分野のノウハウの融合から生まれた膜・フィルム技術を使った「サランラップ」「ジップロック」ですね。

 

【ポイント4】決算書

決算書は、企業が1年間活動してきた結果を表すものです。学校で言えば通知表です。実はここに企業の内部事情がいっぱい詰まっており、企業がこの1年間どのように苦しみ、どのように頑張ってきたのかが書かれているので、決算書は苦手だと言う人も必ず目を通しておく必要があります。

 

旭化成のホームページでいうと、株主・投資家情報>IR資料室>決算関連資料にある「決算短信」です。

 

まず、主力事業を4つのセグメントに分けて、それぞれの売上と利益の状況をざっくりおさえておきます。

 

  • 「ケミカル・繊維」→減収・増益
  • 「住宅・建材」→増収・増益
  • 「エレクトロニクス」→増収・減益
  • 「ヘルスケア」→増収・増益

 

売上高1兆9,409億円、前期比455億円(2.3%)の減収で、苦戦したと言えそうです。原因は「ケミカル・繊維」セグメントで、アクリロニトリルを中心に製品市況が悪化したこと。

 

来季以降どうかというと、「円高の影響を受けることや、スチレンモノマーの販売㔞減少、高機能ポリマー系事業を中心に交易条件が悪化する見通し」だとのこと。業況は引き続き厳しそうで、こういうときはコスト削減やプロジェクト規模縮小などが行われがちです。

 

キャッシュフローは、営業+2,162億円、投資-2,853億円、財務+1,014億円。短期借入金の増加2,134億円が負担となっているものの、積極的投資が行われて利益を確保しているため、健全なキャッシュフローだと判断できます。

 

【ポイント5】自己紹介

職場見学に行くと自己紹介(という名のアピールタイム)させられます。ここで要求されるのは以下の3つのポイント。

  1. 組織と相性はよいか?(企業理念)
  2. 一緒に働きたいと思うか?(人間性)
  3. 業務との適合性は高いか?(スキル)

企業組織の掲げる価値観と異なるような人とは一緒に働くないでしょう。そこで重要になってうるのが企業理念です。例えば旭化成では「誠実」「挑戦」「創造」を重視している、とあるので、誠実な人間、挑戦するマインドのある人間、新しいものを創り出す気概のある人間と一緒に仕事をしたいはずです。これらの人間像とあまりにかけ離れた人はこの会社で仕事するべきではない(お互いに不幸になるから)し、当てはまると思うならそれをしっかりアピールしなければなりません。

 

職場見学では、実際に仕事をする仲間となる人が来ます。その人が一緒に仕事したいと思えなければ、不採用になるでしょう。スタッフの人間性を判断するために、自己紹介だけでなく、あなたの一挙手一投足が見られているという意識で臨む必要があります。

 

最後に、これが最も重要かもしれませんが、派遣先企業が求める人材像は業務遂行能力によって決定されます。あなたがその業務を期待以上の成果でやれるのか、業務遂行に必要なスキルを持っているのかが判断されます。したがって、応募要項にある業務を把握し、求められる能力をしっかりとアピールしなければなりません。

 

【ポイント6】的確な質問

自己紹介が終わった後、業務内容の説明があり、そこで「何か質問はありませんか?」と聞かれると思います。そのときに「何もありません」という人では、業務に対する積極性がないと判断されかねません。そこで一生懸命成果を出そうとするなら、業務に関する質問が出ないはずがないのです。福利厚生や労働条件以外に質問が思いつかないという方は、以下を参考にしてみるといいでしょう。

 

質問する際には、「~は何ですか?」という聞き方をするよりは、「~は◯◯ですか?」と、ある程度自分で考えた結果を当てはめて、その認識が合っているのかどうかという観点で質問したほうがよいです。

  • 業務において何を求められているか
    • プロジェクトの目的は◯◯でしょうか?
    • 求められている役割は◯◯でしょうか?
  • 仕事のやり方・考え方が合っているか
    • 私は仕事において◯◯という考えでおりますが、どう思いますか?
  • ヒト・モノ・カネ・情報など使えるリソースについて
    • 同僚には◯◯の専門的スキルを持った方はいらっしゃいますか?
    • この業務では◯◯の設備は使えるのでしょうか?予算はどの程度配分されていますか?

 

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