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【改善の第5ステージ】全社業務の最適化

生産性向上の手引き
【改善の第1ステージ】業務改善マインドを強化
【改善の第2ステージ】目標業務プロセス定義
【改善の第3ステージ】電子化・ペーパーレス化
【改善の第4ステージ】部門別業務の最適化「脱・手書き&手入力」
【改善の第5ステージ】全社業務の最適化

 

全社業務の最適化は理想論です。IT投資余力がある大企業ですら、それができている企業はほんのわずか。それくらい難しくて莫大な金がかかって効果も不透明なのに、大金をはたいてシステムを導入しているのはなぜか。それは大手SIベンダーの売り文句、かっこいい広告にまんまとひっかかっているからです。

 

金のかかるSCM、CRM、ERP

何事も、目標をもつのはいいことです。目標を持ち、現状を知るからこそ、アクションが見えてくるからです。しかし、大きすぎる目標は時に命取りになります。もう何十年も前から言われているSCM、CRM、ERPについて、まずおさらいしておきます。図2

サプライチェーンとは、物の流れです。「材料」を調達し、それを加工して「商品」にし、物流網を使って卸へと運び、店頭などで販売する、その一連の流れをシームレスに管理しようとする仕組みのことをSCMと言います。

 

一方、見込顧客の開拓から、顧客の購買動向の把握、継続なリレーションの構築など、顧客に係る一連の業務を管理する仕組みのことをCRMと言います。

 

そして、バックオフィスを含めた社内におけるあらゆる業務を統合して管理しようとする仕組み、またはその計画のことをERPと言います。

 

一昔前まで、こういったSCM・CRM・ERPの仕組みを導入しようとしたら莫大なイニシャルコストがかかりました。今ではクラウドサービスも出てきて導入のハードルは下がりましたが、それでも中小企業にとっては社運をかけた投資と言える大規模なものであることには変わりありません。

 

全社的な情報管理が統合され、さらに仕入先や顧客とも情報連携できればそれは素晴らしいことでしょうが、いきなり大規模な投資をして失敗している企業は数多くあります。まずはITコーディネータなどの専門家を入れてじっくり検討するところから始めるべきで、効果が見込めるところからスモールスタートで始めるのが得策であるといえます。

 

情報システムの理想形

社内情報を一元管理するシステムは、ここ10年くらいでずいぶん低価格化が進み、中小企業にとっても導入しやすくなりました。まずは社内情報システムの理想形を図示しておきます。

図3

全社員が日常的に情報を共有できる「情報ポータル」は、いわゆるグループウェアと呼ばれる製品群のことです。少人数であれば無料で使えるものもありますから、使い易いクラウドサービスを試しに使ってみるとよいでしょう。

 

ただし、グループウェアと他システムの連携だけはしっかり考慮しておくべきです。例えば経理システムとしてPCAやJDL、人事システムとしてはOBICや人事奉行などがありますが、どのシステムでも社員マスタや組織マスタなどの情報は共通して使います。社員マスタや組織マスタを各システムごとにメンテナンスするというような無駄なことが起きないよう、システム間連携については十分に配慮して、システム導入を検討すべきでしょう。

 

できるならデータベースは一元管理したいところですし、それが無理でもほとんど手作業なしでデータインターフェースされるような仕組みが欲しいところです。

 

部分最適の積み重ねから始めよう

私は大企業向けに情報システムの導入を10年以上やってきましたが、それによって各企業にどれほどの効果があったのかはいまだに疑問の残るところです。投資に見合う効果があったのか、正直わかりません。一つ言えるのは、大規模なIT投資を行う前に、やるべきことがたくさんあるのではないか、ということです。

 

部門ごとの業務が最適化されていないのに、全社の業務を最適化するというのは愚の骨頂です。部門ごとに業務プロセスを再度見直し、電子データ化やペーパーレス化ができていないのならまずそこから着手すべきです。手入力の業務が残っているなら、それをExcel VBAやWord VBAを使って自動化するという業務改善から優先して実施すべきです。

 

各部門でもうこれ以上やるべき業務改善がない、という状態までいけば、その段階で十分なコスト削減ができているはずです。全社業務の最適化はそれから検討しても遅くはありません。灯台下暗しで、まずは目先の業務から効率化することから始めてみてはいかがでしょうか。

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